【FIRSKY株式会社とは】名古屋に拠点を置いた中国系フェンタニル密輸の中核企業の実態
FIRSKY株式会社とは?表向きは貿易会社、裏では違法薬物の中継拠点
FIRSKY株式会社(ファースカイ株式会社)は、名古屋市西区幅下2丁目5番12号に法人登記されていた日本企業です。名義上は「バッテリーや化学品の輸出入」を主な事業内容としていました。
しかし、実際には中国・湖北省の化学企業「Hubei Amarvel Biotech(アマーベル)」と深いつながりを持ち、フェンタニルおよびその前駆体をアメリカへ密輸するための“中継拠点”として機能していたことが、複数の報道や捜査資料から判明しています。
基本情報
項目
内容
法人名
FIRSKY株式会社
所在地
愛知県名古屋市西区幅下2丁目5番12号
設立
2021年(沖縄で設立)
移転
2022年に名古屋市へ移転
清算
2024年7月に解散・清算
表向きの業務
化学品・バッテリーの輸出入事業
実態
フェンタニル密輸の中継拠点
名古屋がフェンタニル密輸ネットワークの拠点に?FIRSKY株式会社の役割とは
近年、アメリカで大量の死者を出している合成オピオイド「フェンタニル」。このフェンタニルの密輸ルートの中で、日本・名古屋が重要な拠点として使われていたことが明らかになってきました。
その中心にあったのが、FIRSKY株式会社です。
同社は以下のような密輸活動を行っていたと報告されています。
中国から届いたフェンタニルやその原料を日本国内で一時保管 荷物の再梱包・再発送を行い、アメリカへ向けて再輸出 表向きは合法の化学品貿易としてカモフラージュ 決済手段には仮想通貨を利用し、追跡困難な資金ルートを構築
この構図により、日本国内の法人制度や物流システムの信頼性を利用して、違法薬物の国際密輸を“正規の貿易”に見せかける手法が取られていたのです。
中国のアマーベル社との関係性:中国系犯罪ネットワークの中核
FIRSKY株式会社と密接に連携していたのが、中国湖北省に本拠地を置く「Hubei Amarvel Biotech(アマーベル)」という化学企業です。
このアマーベル社は、フェンタニルやその原料となる化学物質を製造し、アメリカなどへ供給するルートの「製造拠点」として知られています。
FIRSKY株式会社の代表者は中国籍と推定される人物で、アマーベル社を含む複数の中国企業との資本・人的なつながりがありました。
このように、FIRSKYは日本国内における中国系違法薬物ネットワークの中核的存在として機能していたとみられます。
フェンタニル密輸の仕組み:仮想通貨と中継拠点で巧妙に偽装
FIRSKYが行っていた密輸の仕組みには、非常に巧妙なカラクリがありました。
ポイントは次の通りです。
日本法人であるFIRSKYを使って合法企業を装う 中国から日本への輸送後、日本国内で再梱包・再発送 アメリカへ向けた違法薬物の発送は正規の貿易ルートを悪用 仮想通貨による取引で資金の流れを追跡困難に 米国DEAや司法当局は、FIRSKYの名前を明確に「密輸共謀」の容疑企業として挙げている
このように、実態の見えにくいスキームで運営されており、日本側でも発見が難しい状況にありました。
日本国内では密売被害なし?でも名古屋が密輸ルートに使われていた衝撃
現時点では、日本国内でのフェンタニル密売による被害報告は確認されていません。
しかし、名古屋を経由するルートが明確になったことで、以下のようなリスクと問題が浮き彫りになっています。
日本が「中継拠点」として国際違法薬物ネットワークに利用された事実 法人登記制度の甘さが犯罪利用を許してしまった点 税関・物流・法人制度の抜け穴を突いた巧妙な犯罪手法
この事件を受けて、日本政府も今後は法人設立・物流体制の見直しを進める動きを見せています。
まとめ:FIRSKY株式会社は“合法企業の仮面”を被ったフェンタニル密輸拠点だった
FIRSKY株式会社は2021年に設立され、2022年に名古屋へ移転。 表向きは化学品・バッテリーの貿易会社を装っていたが、実態はフェンタニル密輸の中継拠点。 中国・アマーベル社と連携し、日本→アメリカの密輸ルートを運営。 仮想通貨による決済で追跡困難な犯罪構造を形成。 名古屋の法人制度と物流網が、国際犯罪に悪用されていた。
今後も同様の手口が再発する可能性があるため、法人制度のチェック体制強化や物流監視の強化が急務となっています。