① 話題の発端:「慶應大学くらい2年で合格できる」発言が炎上
2024年末、SNSやニュースサイトで話題となったのが「慶應大学くらいなら2年で合格できる」という驚きの発言です。
発言の主は、東京・高田馬場にある中国人留学生専門の予備校「一川文研(いっせんぶんけん)」の李校長。
この発言は『プレジデントオンライン』(日本経済新聞取材班)によって報じられたもので、李校長はこう語っています。
「普通の中国人でも2年間ここで勉強すれば、慶應大学くらいなら80%の確率で合格できる」
(引用:Yahoo!ニュース)
この「80%合格率」という数字がSNS上で拡散され、
「日本人より簡単に慶應に入れるのでは?」
「留学生だけ優遇されていないか?」
といった疑問や批判が相次ぎました。
では実際、留学生入試とはどのような仕組みなのでしょうか?
② 留学生入試の仕組み:日本人とはまったく違う“二重構造”
慶應義塾大学や早稲田大学をはじめとする私立大学には、「一般入試」と「留学生入試(外国人入試)」という2つのルートが存在します。
日本人受験生が挑む一般入試は、英語・国語・数学などの難問が並ぶ一方で、留学生入試は「日本語能力」「小論文」「面接」などが中心。
出題範囲も比較的限定的で、李校長によると「数学は中学3年生レベル」で十分対応可能だといいます。
この“難易度の差”は、教育関係者の間でも以前から問題視されており、
「実質的に2つの入試制度が存在する」
「日本人には極めて厳しいのに、留学生には易しすぎる」
という“入試の二重構造”が浮き彫りになっています。
🔹 入試制度の比較(慶應義塾大学)
項目
日本人受験生(一般入試)
留学生(外国人入試)
試験科目
英語・国語・数学など
日本語・小論文・面接
難易度
全国トップクラス
中学~高校初級レベル
試験方式
全国統一型(筆記)
独自試験+書類審査
合格率
約10〜15%
50〜80%(報道による)
(参考:慶應義塾大学入学試験要項)
こうした違いが、実際の「合格率の格差」を生んでいるのです。
③ データで見る:中国人留学生の急増と背景にある“現実的な理由”
この制度を背景に、ここ数年で中国人留学生の難関大進出が加速しています。
2024年度、慶應義塾大学では29人の中国人留学生が合格したと報じられました(Yahoo!ファイナンス)。
なぜこれほど多くの中国人留学生が日本の大学を目指すのか?
その理由は主に次の3つです。
🔸 日本留学が人気の理由
中国国内の受験競争が過酷 中国では「高考(ガオカオ)」と呼ばれる全国共通試験が行われますが、北京大学や清華大学などトップ校の合格率はわずか0.1%未満。 優秀でも希望大学に入れない学生が多く、日本を「第2の選択肢」として選ぶのです。 日本の大学はコスパが良い 欧米の学費が年間300〜500万円かかるのに対し、日本の私大は150〜200万円前後。 さらに奨学金や留学生向け補助制度も充実しています。 卒業後の永住権・就職ルートが魅力 文部科学省の統計によると、留学生の約3割が日本での就職・定住を希望しています。 経済的・社会的安定を求める層が増えているのです。
年度
慶應大学中国人合格者数
全国中国人留学生数
2020
18人
約12万人
2022
25人
約13.7万人
2024
29人
約15万人
(出典:文部科学省 留学生統計2024)
このように、中国人留学生の増加は単なる“学問目的”ではなく、“生活戦略”としての留学でもあるのです。
④ 社会的論争:「外国人優遇」か「国際化推進」か?
この問題に対し、タレントのフィフィさんがX(旧Twitter)で次のように発言し、大きな反響を呼びました。
「日本の大学がすでに中国人に侵食されている」
(出典:フィフィ公式X)
彼女の投稿は一晩で数百万回閲覧され、「#慶應入試」「#留学生優遇」などのハッシュタグがトレンド入り。
「教育の公平性を守るべき」という意見が多く見られる一方、
「国際化を止めるべきではない」「優秀な留学生は日本の財産」という声もあり、論争は真っ二つに分かれています。
教育評論家の間でも、
「留学生を増やすことで大学経営を安定させる狙いがある」
「入試の平等性をどう担保するかが問われている」
という指摘が相次いでいます。
つまりこの問題は、単なる“慶應の入試難易度”にとどまらず、
日本社会の構造的な課題──教育の公正性と国家の人材戦略──へと発展しているのです。
⑤ 今後の展望:日本の大学に求められる“公平な国際基準”
日本の大学はこれから、ますます多国籍化が進んでいくでしょう。
だからこそ、今求められているのは“外国人優遇”か“締め出し”かではなく、公平な国際基準の構築です。
具体的には、次のような改革が必要とされています。
留学生入試の難易度を一定基準で統一する 合格者の比率・学力データを透明化する 「日本語力+専門知識」を総合的に評価する試験制度の導入 留学生の進学・就職支援を公平に整備する
国際競争の中で、優秀な人材をどう受け入れるかは国家の未来を左右します。
だからこそ、「留学生を入れる」こと自体は悪ではないのです。
問題は、「誰が」「どの基準で」入学できるのかが不透明であること。
最後に、この記事を読んでいるあなたに問いかけたいと思います。
――“慶應大学は2年で合格できる”という現実、あなたはどう感じますか?
🧾 参考・引用元一覧
[1] 支那人留学生の東大入試は中3レベル!カンニングし放題!
http://deliciousicecoffee.jp/blog-entry-9860.html
[2] 「慶應大くらい2年で合格できる」永住権目的で日本に

[3] 「慶應大くらい2年で合格できる」永住権目的で日本に

[4] 慶應義塾大学などに中国人留学生が殺到 日本人受験生が…

[5] フィフィ
[6] 慶應義塾大学 帰国生対象入学試験 募集要項