概要:アニメファンも音楽ファンもざわついた一件
2025年放送のアニメ『ダンダダン』第2期第18話に登場した劇中歌「Hunting Soul」(演奏:架空バンド“HAYASii”)が、伝説的ロックバンド X JAPAN の代表曲『紅』に酷似している――そんな声がSNSで爆発的に拡散されました。
「これは愛あるオマージュなのか?それとも著作権侵害レベルのパクリなのか?」という論争が、放送直後からファンや関係者の間で巻き起こります。
疑惑の発端:演出も曲調も“紅”そっくり?
炎上のきっかけは、楽曲と演奏シーンの演出でした。
曲調やメロディ構成、そしてボーカルのシャウトが『紅』を彷彿とさせる ドラマーが上半身裸で演奏する姿や、派手なヘッドバンギングといったビジュアル演出 ギターリフの雰囲気やテンポ感も似ており、SNSでは「紅すぎて笑った」「完全にX JAPANじゃん」といった投稿が相次ぎました
さらに事態を大きくしたのは、YOSHIKI本人の反応です。
彼はSNSで「これ、X JAPANに聞こえない?」「事前に一言くれれば良かったのに」とコメントし、著作権管理の弁護士から連絡が来たことも明かしました。
ファン・業界の意見は二分
この問題に対する受け止め方は、大きく2つに分かれました。
肯定派(オマージュ支持) 「愛のこもったパロディで、むしろ若い世代にX JAPANを知ってもらえる」 「演出の誇張やコミカルさはリスペクトの証」 否定派(パクリ懸念) 「商業作品で事前許可を取らずに似せるのはリスペクトに欠ける」 「ファンは喜んでも、権利者や関係者への配慮不足は問題」
著作権的にはセーフ?オマージュとパクリの境界線
専門家の見解では、「Hunting Soul」は完全なオリジナル曲であり、『紅』のメロディや歌詞の直接コピーは存在しません。
日本の著作権法では以下の2点が侵害の判断基準になります。
判定基準
内容
実質的類似性
旋律や歌詞など、創作的表現がどれほど似ているか
依拠性
元作品を参考にして作ったことが証明できるか
今回は曲そのものよりも「演出・雰囲気」が酷似しているだけで、法的には著作権侵害にあたる証拠は確認されていません。
制作側も「真面目にふざける」コンセプトでオマージュを意図したとコメントしています。
YOSHIKIの発言と業界への影響
YOSHIKIは「自分でも似たことをするなら許可を取る」と発言し、音楽業界の権利管理の厳しさを改めて強調しました。
この騒動をきっかけに、アニメ・音楽制作現場では「オマージュ演出を行う際の事前連絡の重要性」や「元ネタへの敬意の示し方」が改めて議論されることとなりました。
まとめ:法的にはセーフでも議論は続く
「Hunting Soul」はX JAPAN『紅』に似た雰囲気を持つが、直接的なメロディや歌詞の盗用はなし 著作権法的には侵害と認められない可能性が高い ただし、商業作品としての配慮や敬意の示し方が改めて問われる結果に
今回の「ダンダダン」劇中歌パクリ疑惑は、オマージュと盗用の境界線という難しいテーマを浮き彫りにしました。
ファンの間では今も議論が続いており、今後の創作現場に大きな影響を与えるケースとなるかもしれません。