中国資本による瀬戸内海の不動産買収の現状
近年、瀬戸内海の離島で中国資本による不動産買収が進んでいることが、大きな社会問題として注目されています。
特に山口県にある人口わずか7人の笠佐島では、複数の中国人投資家が土地を取得しており、別荘やリゾート施設の建設が計画されています。
現地住民の中には、
「島全体が中国人に買い占められるのでは?」 「地元の生活環境や安全保障に影響が出るのでは?」
といった不安の声も多く聞かれます。
さらに、笠佐島だけでなく、広島県沖の離島や瀬戸内海周辺の観光地でも、同様に中国資本による土地購入が増加していることが報道されています。
なぜ瀬戸内海の島が狙われるのか?
海外から見ても景観が良く、別荘やリゾート施設としての価値が高い 土地価格が都市部に比べて安く、まとまった面積を購入しやすい 日本では外国人による土地購入への規制が緩く、購入手続きが簡単
こうした背景から、外国人による不動産投資のターゲットになりやすい状況にあるのです。
日本における外国資本による不動産・土地取得規制の実態
日本では、外国人による土地や不動産の購入にほとんど制限がありません。
これは1994年にWTOのGATS協定に基づき、外国人にも日本人と同じ条件で不動産取得が認められたためです。
そのため、欧米諸国や中国・韓国など多くの国が外国人の土地購入に規制を設けているのに対し、日本は“フリーパス状態”に近いといわれています。
2022年施行の「重要土地等調査法」とは?
この法律では、自衛隊基地や米軍基地、原子力発電所、国境に近い離島など、安全保障上重要な施設の周辺約1kmを「注視区域」として指定し、土地の売買や所有者について調査できるようになりました。
しかし実際には、
調査・監視はできても、売買を強制的に止めることはできない 観光地やリゾート地、都市部の土地には適用されない
といった問題があり、外国資本による土地購入を大きく制限するには至っていません。
規制強化の議論は進むが、抜本的な法整備はまだ
国会では「外国人による土地売買を制限する法律」の必要性が議論されています。
しかし、現時点で外国資本の土地購入を全面的に規制する法律は成立していません。
そのため、瀬戸内海や北海道、沖縄など、戦略的に重要な場所で外国人による土地買収が続いているのが現状です。
まとめ
現状、日本では中国資本を含む外国人投資家が土地や不動産を購入することが容易であり、特に瀬戸内海の離島や観光地で買収が進んでいます。
一部の重要施設周辺では調査や用途勧告が行われますが、実際には売買を強制的に止められる法的拘束力はほぼありません。
この問題は安全保障や地域住民の生活にも直結するため、今後さらに規制をめぐる議論が活発化すると考えられます。