手取り15万円の年収と生活レベル
手取り15万円の月収は、額面で約19万円、年収にしておよそ230万円前後となります。
この金額は新卒の社会人や、地方で働く人たちの中では決して珍しいものではありません。
ですが、日本の正社員の平均年収と比較すると、明らかに低い水準なんです。
例えば厚生労働省の調査では、正社員の平均年収は約500万円とも言われています。
この数字と比べると、手取り15万円の生活は半分以下の水準ということになりますね。
特に一人暮らしとなると、以下のような固定費が毎月かかります。
支出項目
平均額(円)
備考
家賃
50,000~70,000
都市部ならさらに高額
光熱費
約10,000
季節により増減
食費
約30,000
自炊メインでも必要
通信費
約7,000
スマホ・ネット代など
雑費・日用品
約5,000
消耗品・衣類など
これらを合計すると、生活に必要な最低限の支出だけで約10万円〜12万円がかかります。
さらに突発的な出費(病院、冠婚葬祭など)を考えると、貯金や趣味に使えるお金はほとんど残らないことが現実です。
実際、「手取り15万円で一人暮らしは厳しい」といった声も多く見られます(参考)。
特に都市部では家賃の負担が重く、毎月ギリギリの生活を強いられている人がたくさんいます。
日本の所得格差と貧困の深刻な現状
実は今の日本、先進国の中でも貧困率が高い国とされているんです。
たとえば2016年のデータでは、相対的貧困率が15.7%。
これはおよそ7人に1人が貧困状態にあるということになります。
さらに、所得格差を示す指標「ジニ係数」は1999年の0.472から、2017年には0.5594へと上昇。
つまり、日本では着実に格差が広がっていることがデータからも分かります。
とくに以下の人たちに深刻な影響が出ているんです。
若年層(20代~30代)の収入が低い 非正規雇用(パート・アルバイト・契約社員など)の増加 子育て世代への支援が不十分
これらの影響で、安定した収入を得ることができず、将来に不安を感じる若者が増えています。
正社員として働いていても、手取りが15万円前後であれば、生活の安心感や将来への備えは困難という声も少なくありません。
低所得が引き起こす深刻な社会問題
手取り15万円前後での暮らしは、個人だけでなく社会全体に大きな影響を与えています。
1. 精神的な不安やストレスの増加
収入が少ないと、病気や急な出費に対応できず、不安を抱えながら生活することになります。
「いつ何が起きるかわからない」という不安が、日々のストレスにつながりやすくなります。
2. 結婚・出産をためらう若者の増加
ある調査では、年収300万円未満の男性の未婚率が非常に高いというデータもあります(ニッセイ基礎研究所調査)。
「子どもを育てる余裕がない」「家族を養えない」と感じる若者が多く、少子化問題にも直結しているんです。
3. 教育格差と貧困の連鎖
収入が少ない家庭では、塾や習い事、大学進学に必要な費用を出すのが難しいため、子どもの教育機会に差が生まれやすいです。
これが将来的に親と同じような低所得の生活を送る可能性が高まる、いわゆる“貧困の連鎖”を生んでしまう原因になっています。
まとめ|手取り15万円では将来に不安。社会全体での支援が必要!
手取り15万円の生活は、決して珍しくないが、非常に厳しい現実がある。 家賃や生活費を払えば、貯金や娯楽にまわせるお金はほとんど残りません。 日本は貧困率が高く、格差が広がる一方。 若者や非正規雇用者が特に厳しい状況に置かれており、少子化や教育格差などの社会問題に直結しています。
今後は、最低賃金の引き上げや社会保障の拡充、非正規雇用の待遇改善など、国をあげての支援・改革が急務です。