2024年の自民党総裁選を前に、小泉進次郎氏の陣営が「ニコニコ動画」などでポジティブなコメントを投稿するよう関係者に依頼していたことが明らかになりました。
この“ネット工作”ともいえる行為は「週刊文春」の報道により発覚し、陣営側も事実関係を認めています(文春オンライン、Yahoo!ニュース)。
ネット世論を誘導する「ステルスマーケティング(ステマ)」が政治の現場で使われていたことは、大きな社会的波紋を呼んでいます。
ステマ指示の内容と経緯
報道によると、進次郎氏の推薦人である牧島かれん衆議院議員の事務所が、総裁選直前に関係者へメールを送信しました。
その中には「ニコニコ動画でポジティブなコメントを書いてほしい」という要請が含まれていたのです(Yahoo!ニュース)。
さらにメールには、進次郎氏を持ち上げるコメント例が24パターン記載されていました。例えば…
「石破さんを説得できたのスゴい!」 「泥臭い仕事もこなして一皮むけたね」
このように、まるでファンが自然に書き込んだかのように見える“用意された称賛コメント”がリスト化されていたのです(文春オンライン)。
高市早苗氏への中傷も含まれるコメント
問題はポジティブなコメントだけではありませんでした。
メールにはライバル候補である高市早苗氏を批判する文言も盛り込まれていたのです。
例えば、
「ビジネスエセ保守に負けるな」
といった内容は、高市氏への誹謗中傷と受け止められました(週刊女性PRIME、Yahoo!ニュース)。
候補者陣営自らがネット上で対立候補を攻撃する姿勢に、強い批判が噴出しています。
陣営の認めた事実とその後の対応
この件について、陣営の事務局幹部である小林史明衆議院議員は「おおむね事実」と認めました(産経新聞、スポニチ)。
発覚後、進次郎氏や関係議員の公式SNSには批判コメントが殺到。
結果として、コメント欄を閉鎖するなどの対応が取られています。
社会的な問題点|ステマ規制と政治活動
今回の件が特に問題視されているのは、ステルスマーケティングがすでに規制対象となっているからです。
2023年10月から、景品表示法でステマは禁止され、企業活動においては明確にアウトとされています(Yahoo!ニュース解説)。
それにも関わらず、政治の現場で同様の手法が使われたことで、以下の点が指摘されています。
ネット世論の誘導が選挙の公正さを損なう 候補者同士の誹謗中傷が拡散されやすくなる 有権者の「情報の信頼性」が揺らぐ
今回の件を受けて、今後は選挙におけるネット工作や情報操作のルール整備が必要だという議論が強まっています(アゴラ)。
まとめ|総裁選とネット社会の信頼性
小泉進次郎陣営の「ステマ指示」は、単なるイメージ戦略ではなく、政治活動そのものの信頼性を揺るがす重大問題として受け止められています。
自民党総裁選の行方にも影響を与えるとみられ、今後もネット上の情報操作や誹謗中傷対策をめぐる議論は続くでしょう。
👉 関連情報:
小泉進次郎「ステマ指示」何が問題? 文春オンライン|小泉進次郎陣営“ステマ指示”報道 産経新聞|小泉進次郎陣営「ステマ要請」を認める