2025年10月、人気漫画家でありイラストレーターの江口寿史氏が、モデル・金井球さんのInstagram投稿写真を事前許諾なくトレースし、商業広告用イラストとして使用したことが発覚しました。
この件は大きな炎上を引き起こし、著作権や肖像権、パブリシティ権といった法的リスクがSNS時代に改めて注目されるきっかけとなっています(Yahoo!ニュース)。
本記事では、炎上の経緯・問題点、法的リスク、今後の対策を整理しながら、クリエイターや企業が学ぶべき教訓を解説します。
今回の炎上の経緯と問題点
時期:2025年10月、JR駅広告で使用されたイラストが問題視される。 行為:江口氏が金井球さんのInstagram写真を無断で“トレース”して商業利用。 発覚:モデル本人からの指摘で判明。その後、事後的に承諾を得た。 反応:SNS上で批判が爆発。「プロなのに無断使用は信頼を損なう」「事後承諾は不十分」との声多数(Coki、Yahoo!ニュース)。
一部では「参考程度なら問題ない」といった擁護もありましたが、“無断利用”という事実が強い反発を生みました。
法的・倫理的リスクとは?
他人の写真をトレースしてイラスト化する行為は、一見「アレンジだから大丈夫」と思われがちですが、実際には以下のリスクを伴います。
主なリスク一覧
リスク
説明
想定される結果
著作権侵害
写真の構図・表現を無断で利用
損害賠償・削除請求
肖像権侵害
本人の顔や姿を無断利用
使用差止め・訴訟
パブリシティ権
モデルの知名度を商業利用
金銭的補償請求
ブランド毀損
企業や本人の信用低下
炎上・取引停止
商業広告であれば「知らなかった」「悪気はなかった」では免責されません(Kigyobengo.com)。発注企業も責任を問われる可能性が高く、コンプライアンス上の重大なリスクとなります。
今後求められる対応と対策
今回の炎上は、クリエイターや企業がどのような点に注意すべきかを示しています。
事前確認と許諾の徹底 商業利用する場合、元の素材が他者の著作物や肖像を含まないか必ず確認。必要なら契約や同意書を交わす(note)。 SNS・AI素材の扱いに注意 InstagramやAI生成画像など出自が不明な素材は、商業利用を避けるべき(Baycross、App-liv)。 明示的な同意と対価支払い 参考にする場合も、著作権者・被写体双方の同意を得て、報酬やクレジット表記を行うこと(2525journal)。 企業側のチェック体制強化 クリエイター任せにせず、企業の法務や広報部がチェックする体制が不可欠(Baycross)。
まとめ:SNS時代の「無断利用」は命取りに
SNSによって誰もが作品を発表・共有できる時代になりましたが、その分「無断利用」や「トレパク」への社会的な監視も厳しくなっています。
今回の江口寿史氏の事例は、**「正しい手続き」「透明性」「事前許諾」**を守らなければ、プロであっても信用を失うという教訓を示しています。
クリエイターも企業も、「法的リスクを回避するための意識と仕組みづくり」がますます求められていくでしょう。
🔗 情報源
Yahoo!ニュース 愛称説.com Coki.jp Patent Revenue 2525journal Kigyobengo.com note Baycross App-liv