神戸市の久元市政が外国人への生活補助を容認していることについて、「なぜ？」と疑問に思う人も多いですよね。
外国人も生活保護？
実はこの仕組みには、日本の生活保護制度の歴史的な背景があります。
生活保護法では、原則として対象は「日本国民」に限られています。ところが、旧厚生省（現・厚労省）の通知により「当分の間」、一定の在留資格を持ち長期的に日本に住む外国人についても生活保護の対象に準じて扱うことが認められてきました。
そのため、就労不能や生活困窮に陥った外国人がいる場合、自治体の判断で生活保護が支給されるのです。久元市政もこの制度を活用しており、決して「特別な優遇策」ではなく、国の制度を踏まえた運用の一環といえるでしょう。
制度のポイントを整理
生活保護の対象は原則「日本国民」 旧厚生省通知により、一部外国人にも「当分の間」準用 自治体判断で支給の有無を決定 神戸市もその制度を踏まえて外国人への補助を認めている
日本人が海外で生活保護を受けられないのはなぜ？
一方で、よく聞かれる疑問が「外国人は日本で生活保護を受けられるのに、日本人が海外で同じ支援を受けられないのは不公平では？」という声です。
確かに、日本人が海外で生活に困窮した場合、現地の大使館や領事館が直接的に生活補助をすることはほとんどありません。理由は明確で、日本の社会保障制度はあくまで「国内居住者向け」に設計されているからです。
つまり、日本人が海外で困窮した場合は、基本的に滞在している国の社会保障制度に頼るしかないのです。この点は「制度の設計上の違い」であり、不公平というより制度の枠組みの問題といえるでしょう。
整理すると次の通りです。
日本人が海外で生活保護を受けられる制度は基本的に存在しない 大使館や領事館の支援は一時的・限定的にとどまる 海外在住者はその国の社会保障制度を利用するのが原則
参考：生活保護「外国人が優遇」のウソ 受給者は全体のわずか3 …
外国人生活保護制度の課題と今後の議論
外国人への生活保護支給については、長年にわたり議論が続いています。
最大の課題は「法的根拠のあいまいさ」です。生活保護法では外国人は明記されていないため、自治体の裁量で運用されているのが実態です。その結果、「外国人優遇では？」という誤解や批判が生まれやすい状況になっています。
実際には、外国人への生活保護はむしろ制限が多く、日本人より厳しいケースもあると指摘されています。それでも一部の政治家や国民からは「制度の見直しをすべき」との声があり、自民党を含む与野党で議論が続いている状況です。
まとめ
外国人生活保護は法的に明文化されていない 実際には厳しい条件下で支給されている 「外国人優遇」は誤解との指摘も多い 自民党や他政党で制度見直しの議論が進行中
参考：
「外国人の生活保護、法的根拠ない」維新・柳ケ瀬氏 福岡厚 … 「外国人優遇」は誤解 生活保護、奨学金 – TBSラジオ
神戸市の久元市政が外国人に生活補助を認めている背景には、国の通知による制度運用と、実際に生活に困窮する外国人を支援する必要があるという現実があります。
また、日本人が海外で生活保護を受けられないのは「不公平」ではなく、制度の設計そのものの違いによるものです。
今後は外国人生活保護の法的整理や制度の見直しが大きな課題になっていくでしょう。
