1994年にフジテレビで放送された青春ドラマ『17才-at seventeen-』は、内田有紀さん、武田真治さん、一色紗英さんといった豪華キャストが出演し、若者を中心に絶大な人気を誇りました。
しかし、この作品は現在に至るまで再放送されていません。さらにDVDやBlu-ray化もされておらず、「幻のドラマ」となっています。
一体なぜ、この名作が封印されてしまったのでしょうか?
その理由には放送倫理やコンプライアンスが大きく関係しています。本記事では、その背景と現在も続くテレビ業界の課題を詳しく解説します!
「17才-at seventeen-」が再放送されない最大の理由:高校生の飲酒・喫煙描写
『17才-at seventeen-』が再放送できない一番の理由は、高校生による飲酒・喫煙シーンが多く含まれていることです。
このドラマでは、高校生たちのリアルな日常を描くことにこだわり、青春の葛藤や友情が生々しく表現されています。
しかし、劇中では高校生が居酒屋でビールを注文したり、喫煙するシーンが頻繁に登場。そのリアルさが逆に現在の放送基準では問題視されてしまいました。
当時は許容された描写も今はNG
1990年代はテレビドラマでの喫煙・飲酒描写がまだ許容されていた時代。
たとえば、1993年に放送されたドラマ『高校教師』では未成年の妊娠や自殺といったテーマが描かれて話題になりました。しかし、現代ではこのような内容は地上波で放送するには規制が厳しくなっているため、再放送は難しくなっています。
放送当時からの批判と対応策
実は『17才-at seventeen-』は放送当初から視聴者からクレームが相次いでいた作品でもあります。
特に問題となったのが、高校生役が「マスター、ビールちょうだい」などと自然に注文するセリフ。これが未成年飲酒を助長するとして、放送局には多くの苦情が寄せられました。
番組内で注意喚起テロップを表示
クレームが殺到したことで、第5話以降から注意テロップが表示されるように。
「法律で未成年の飲酒ならびに喫煙は堅く禁じられています」
といった注意喚起が挿入されました。
しかし、すでに問題視された後だったため、ドラマ後半では喫煙シーンが減少し、飲み物がジュースに差し替えられるなどの修正が行われましたが、時すでに遅し。
現代の放送倫理とコンプライアンス問題
現在では、放送倫理とコンプライアンスが非常に厳格になっています。
メディア規制の強化
- 放送倫理・番組向上機構(BPO)は、視聴者からの苦情を受けて問題のある番組を審査。
- 近年では、未成年飲酒や喫煙の描写がある作品は再放送を自粛する傾向が強まっています。
未成年の喫煙描写が子どもに与える影響
日本禁煙学会の調査によると、映画やドラマで喫煙シーンを見た子どもは喫煙率が上昇することが判明しています。
アメリカでは「喫煙シーンを見た子どもの44%がタバコに手を出すようになる」とのデータもあり、未成年者への悪影響が問題視されています。
「市場からの抹殺」状態:再放送もDVD化もなし
『17才-at seventeen-』は現在、地上波はもちろん、BSやCSでも再放送されていません。
さらに、DVDやBlu-rayなどのパッケージ化も行われていないため、映像を入手する手段はほぼゼロ。まさに「封印作品」となっています。
入手方法はほぼ絶望的…唯一の手段はオークション?
もし視聴したい場合、1994年当時に録画されたVHSビデオテープがオークションで出品されるのを待つしかありません。
しかし、年々希少性が増しているため、入手は非常に困難でしょう。
【裏話】出演者の現在は?あの頃のキャストたちは…?
『17才-at seventeen-』で主演を務めた内田有紀さんは現在も女優として活躍中。ドラマ『ドクターX』シリーズなどで主要キャストとして出演しています。
また、武田真治さんはバラエティ番組『みんなで筋肉体操』で再ブレイクし、筋肉俳優として人気に。
一色紗英さんは結婚・出産を経て芸能界から引退し、現在はアパレルブランドのデザイナーとして活動しています。
まとめ:封印された名作は復活するのか?
『17才-at seventeen-』が再放送されない理由は、高校生の飲酒・喫煙描写が放送倫理に抵触しているためです。
現代ではコンプライアンス基準が厳格になっているため、再放送は難しい状況ですが、ファンからは「再放送を希望する声」が今もなお上がっています。
ドラマ自体は当時の青春を鮮やかに描いた名作ですが、時代の変化によって封印されたままとなっています。
今後、配信サービスなどで解禁される日が来るかもしれませんね!