大雨や台風による冠水被害は、毎年多くの車に発生しています。
この記事では、水没した車の使えるかどうかの判断基準から修理費用の目安、保険の適用条件、さらに初動対応のポイントまで、プロ目線でわかりやすく解説します。
1. 水没車が使えるかの判断基準
水没の程度によって、修理して乗り続けられる場合と買い替えた方が良い場合があります。
軽度(タイヤの半分まで) タイヤの半分程度の冠水なら、重大なダメージは比較的少ないです。 ただし、サビやグリスの流出があるため、必ず整備工場で点検しましょう。 中度~重度(シート下〜シート上まで浸水) シート下まで水が入った場合、修理費は約25万円。 シート上まで浸水すると50万円以上かかることもあります。 エンジンやトランスミッションが水没した場合は100万円以上になり、修理後も故障リスクが高まります。 エンジンルームまで浸水 電装系や機械系統の故障リスクが非常に高く、修理しても信頼性が低くなります。 このケースでは、ほとんどの場合買い替えが推奨されます。
2. 修理費用と買い替え判断の目安
水没レベル
修理費用目安
判断の目安
タイヤ下半分
4万〜20万円
点検修理で継続可能
シート下まで
約25万円
修理して継続可能
シート上部まで
50万円以上
愛着なければ買い替え検討
エンジン・トランスミッション浸水
100万〜200万円超
買い替え推奨
買い替えを検討すべき条件
車の年式が古い 修理費が高額 特に愛着がない 将来の故障リスクを避けたい
3. 保険適用の可否と注意点
車両保険の補償対象になるケース 台風・豪雨・洪水・高潮による水没事故は、多くの車両保険で補償対象です。 補償対象外になりやすいケース 地震・津波による水没は原則対象外。 ただし「地震・噴火・津波特約」を付けていれば一部補償されることもあります。 保険利用時の注意 翌年の保険料が上がる(等級ダウン) 免責金額が設定されている場合あり 修理前に必ず写真を撮って証拠を残す
4. 水没時の初動対応と安全確保
冠水や水没に気づいたらすぐにエンジンを停止し、安全な場所へ避難。 水没車は再始動しないこと。エンジン内部に水が入ると修理費が跳ね上がります。 JAFやロードサービス、保険会社へ連絡。 万が一車内に閉じ込められた場合に備えて、緊急脱出用ハンマーを常備しておく。
まとめ|水没車の判断は慎重に
水没車の扱いは、被害の程度・修理費用・年式・保険の有無によって変わります。
特にエンジンや電装系まで浸水した車は買い替えが安全です。
修理を選ぶ場合でも、必ず保険や補償内容を確認し、将来の故障リスクも考慮しましょう。