2012年のFIT制度が生んだ「メガソーラー・バブル」
日本でメガソーラー(大規模太陽光発電)が一気に広がったのは、2012年7月に始まった固定価格買取制度(FIT制度)がきっかけです。
当時は、発電した電力を1kWあたり40円という高額で電力会社が買い取る仕組みが導入され、国内外の投資家たちが一気にこのビジネスに参入しました。特に、孫正義氏(ソフトバンクグループ代表)らが国会で再生可能エネルギー導入を強く訴えたことが、世論を動かしたとされています(参考:logmi.jp)。
この高価格設定は、当時の自民党政権が主導した政策決定であり、政治家や省庁が深く関与していたことが指摘されています(出典:fuk8.net)。
年
主な出来事
内容
2012年
FIT制度開始
再エネ電力を固定価格で買い取り開始
2013〜2015年
メガソーラー事業急増
大手・外資が日本市場に進出
2016年以降
買取価格の段階的引き下げ
新規参入は減少傾向に
外資参入と政治利権の影:大阪市「上海電力」問題
特に注目を集めたのが、大阪市のメガソーラー事業です。
当時、市長だった橋下徹氏が再エネ推進を掲げ、大阪港の土地にメガソーラー事業を誘致しました。
しかし、その事業を実質的に中国の上海電力が独占する形になり、土地の賃貸借契約の透明性をめぐって批判が起きました(参考:wjsm.co.jp)。
これにより、「地方自治体 × 外資 × 政治家」という複雑な利権構造が浮かび上がりました。特に地方の行政が、経済効果を優先するあまり、透明性を欠いた契約を結ぶケースが相次いだのです。
こうした構造は一部では“再エネ利権”とも呼ばれ、事業推進の裏で特定の企業が優遇される仕組みが存在していたと指摘されています。
(参考:fuk8.net、wjsm.co.jp)
環境への影響:森林伐採と景観破壊の現実
「太陽光=環境に優しい」と思っている人も多いかもしれません。
でも実際には、メガソーラー開発のために山を削り、森を伐採するケースが全国で発生しています。
代表的なのが以下の地域です👇
地域
問題点
出典
熊本県・阿蘇地域
森林伐採・景観破壊
北海道・釧路湿原
生態系破壊・工事中止勧告
奈良県
土砂流出による災害懸念
このような開発によって、もともと自然豊かだった地域がパネルで埋め尽くされ、産業廃棄物のような景観になってしまうこともあります。
実際、SNSでも「森がソーラーパネルに変わった」「川が濁った」などの投稿が増え、住民の反発が広がっています(出典:X投稿まとめ)。
メガソーラー拡大の“代償”とこれからの課題
まとめ
日本のメガソーラー事業は2012年のFIT制度によって政治と経済の思惑が交錯する巨大市場として急成長しました。
しかしその裏で、
環境破壊 外資の独占 利権構造の不透明化
といった問題が顕在化しています。
このままでは、「地球に優しいエネルギー」が「地域を壊すエネルギー」になりかねません。
今後は、発電コストの適正化と自然との共存を両立する制度設計が必要です。
再生可能エネルギーの未来を守るためには、「誰が利益を得て、誰が負担をしているのか?」を私たち一人ひとりが考えることが大切だと思います。
参考・引用元一覧
太陽光利権の闇 – 森田としふみ 孫正義氏による国会発言 日本のメガソーラー事業の大半は“中国企業”が独占! メガソーラーは環境破壊につながる? 釧路湿原の“メガソーラー”事業者に工事中止を勧告 – NHK メガソーラー問題~その功罪と未来 – 税理士.ch 奈良メガソーラー造成現場で「土砂流出」 – 東洋経済