人気ドラマ「マイ・ボス・マイ・ヒーロー」(正式名称「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」)は、2006年に日本テレビで放送され、平均視聴率19.1%、最終回には23.2%を記録した大ヒット作品です。
主演は長瀬智也さんで、新垣結衣さんや手越祐也さんも出演し、主題歌のTOKIO「宙船」も大ヒットしましたね。しかし、この人気ドラマが長年にわたり地上波で再放送されていません。その背景には、複数の理由があるのです。
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出演者の不祥事と逮捕歴の影響
「マイ・ボス・マイ・ヒーロー」が地上波で再放送されない最大の理由は、出演者の逮捕歴が関係していると言われています。
特に影響を与えているのが、主人公の舎弟「真鍋和弥」役を演じた田中聖さんの存在です。
田中聖さんは、2022年に覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されており、過去にも薬物所持や恐喝などの罪で複数回の逮捕歴があるとされています。
テレビ関係者のコメントによると、「メインキャストのジャニーズが全員“消えて”しまうとは… もう二度と地上波放送されないことは確定でしょうね」との見方もあるようです。
テレビ局としても、不祥事を起こした俳優が出演する作品を再放送すると批判を受けるリスクがあるため、避ける傾向にあるのですね。
ジャニーズ事務所退所者の権利管理問題
再放送が難しい理由の二つ目として、元ジャニーズタレントの権利管理問題が挙げられます。
主演の長瀬智也さんは2021年3月にジャニーズ事務所を退所しました。また、桜小路役の手越祐也さんも2020年6月に退所しています。
ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)は、退所したタレントの肖像権や著作権を厳しく管理することで知られています。そのため、退所したタレントが主要キャストを務める作品の再放送が難しくなっているのです。
長瀬智也さんの退所後、過去に出演したドラマのネット配信が解禁されるケースもありましたが、「マイ・ボス・マイ・ヒーロー」は配信対象外となりました。このことからも、ジャニーズ事務所の権利関係が大きく影響している可能性が高いですね。
主題歌の問題
三つ目の理由は、主題歌に関する問題です。
「マイ・ボス・マイ・ヒーロー」の主題歌は、TOKIOの「宙船」。この曲は累計45万枚を売り上げる大ヒット曲となりました。
しかし、TOKIOのメンバーだった長瀬智也さんと山口達也さんはグループを脱退し、所属事務所も退所しています。
特に、山口達也さんは酒気帯び運転での逮捕歴があり、TOKIOの映像がテレビ番組でカットされることも多くなっています。
再放送を行う場合、オープニングやエンディングで主題歌が流れるため、権利処理の問題が発生する可能性があるのですね。
時代背景とコンテンツの問題
四つ目の理由として、ドラマの内容が現代の価値観と合わなくなっている可能性が挙げられます。
「マイ・ボス・マイ・ヒーロー」は、暴力団の次期組長を目指す青年が高校に通うというストーリーです。しかし、現代の日本では暴力団排除の動きが強まっており、暴力団を肯定的に描くコンテンツは受け入れられにくくなっています。
以前は問題なく放送されていた作品でも、社会の価値観の変化によって再放送が難しくなるケースは珍しくありません。このドラマも、その影響を受けている可能性が高いですね。
出演者全員の許可取得の難しさ
五つ目の理由として、再放送には出演者全員の許可が必要という点が挙げられます。
「マイ・ボス・マイ・ヒーロー」のキャストの中には、当時と異なる事務所に所属している人やフリーランスで活動している人もいます。
再放送時のギャラは、基本的に出演当時の所属事務所に支払われる仕組みとなっているため、出演者の中には以下のような理由で再放送を拒否する人もいるかもしれません。
- 前の事務所での作品を広めたくない
- 再放送のギャラを前の事務所に取られたくない
こうした事情からも、再放送のハードルが高くなっているのですね。
再放送の可能性と視聴方法
以上の理由から、「マイ・ボス・マイ・ヒーロー」の地上波での再放送は非常に厳しい状況です。
2007年頃に一部地域で再放送されたことがあるようですが、近年では再放送の情報はなく、2025年現在も再放送の予定はありません。
また、TVerなどの見逃し配信サービスでも配信されていません。現在、このドラマを視聴する方法としては、「TSUTAYA DISCAS」でDVDをレンタルする方法のみとなっています。
まとめ
「マイ・ボス・マイ・ヒーロー」が地上波で再放送されない理由として、
- 出演者の不祥事や逮捕歴
- 元ジャニーズタレントの権利管理の問題
- 主題歌の権利問題
- ドラマの内容が現代の価値観と合わなくなっている点
- 出演者全員の許可が必要であること
このような複数の要因が絡み合っています。
こうした事情を考えると、今後も再放送が実現する可能性は極めて低いと言えるでしょう。
テレビ業界における著作権や肖像権の複雑さ、出演者の不祥事がコンテンツに与える影響を改めて浮き彫りにした事例といえますね。